アガルタ



アガルタ
アガルタ

商品カテゴリー:インディーズ,ジャズ,フュージョン,ミュージック,ポップス,JPOP
収録曲:アガルタヘのプレリュード, マイシャ, インタールード?ジャック・ジョンソンのテーマ,
セールスランク:18605 位
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これはマイルスの金字塔的作品

当時高校生だった私は友達と授業をさぼり、
このアルバムの収録された大阪フェスティバルホールに高揚した精神で臨んだ。

むろん、「On the Corner」「In concert」「Get up with it」といったこのコンサート直前の
数年間のアルバムも擦りきれるほど聴いての出陣だ。

幕が開く前に、マイルスの弾くオルガンの不協和音が強烈に会場に響く。
そこで聞こえてきたサウンドは、上記のアルバムとはまったく違う音楽だった!
Miles、凄い!と叫んだ記憶がある。

このバンドの構成の重要な部分を担っているのは、
マイルスが「あいつはマスターだ、俺が教えることはなにもない」といった、
ジミ・ヘンドリックスの”師匠”である、ピート・コージーだ。
6弦と12弦のギター+シンセサイザー、パーカッションを操り、
マイルスのアドリブの後を0.3秒遅れくらいで同じフレーズで追っかけてみせる
ピートはやはり凄い。

この日の夜の演奏を納めたパンゲアも同様に素晴らしいが、
どっちかというとこのアガルタの方が、個人的には好きだ。

老いた、くだらぬ評論家どもが難癖をつけていたマイルスのサウンドに
若い感性は、それらをせせら笑いながら、ぐいぐい引き込まれていた。

アイビールックで極めた大人のジャズファンが驚きの目で見る中で、長髪をなびかせて
颯爽と席に着いた思い出も懐かしい。

横尾忠則のジャケット(日本版のみ)もイカしている素晴らしいアルバム。
怒濤の曼陀羅音空間!

もはや語るべき言葉もないほどの圧倒的な日本公演(大阪)の記録です。

この曼陀羅のようなのたうつ音響世界は、ピート・コージーの力量に負うところが多いようですが、果たしてコージーのサウンドシステムがどうなっていたのかということを書いてみます。

○ギターの扱い
6弦ギターと12弦ギターを使い分けているようです。12弦ギターでソロを弾くことによって、あの分厚い音が生まれているわけですが、そのほか、VSCシンセサイザーを通してエフェクター的に使うことによって、あの独特のうねりが生まれるようです。

○シンセサイザーとリズムボックスの大幅導入

○小物パーカッションの効果的な使用

というところであろうと思われます。

当時のコンサート評を読んでみると、とある高名なジャズ評論家の先生は「マイルスのステージマナーが悪すぎる」「観客とのコミニュケーションがとれていない」という、かなり悪意のある文章が躍っています。

まぁしかし、ジャズミュージシャンが観客とコミュニケーションをとってライブを楽しく演出しているのを、私は寡聞にして知りません。気持ちよさげにニヤケ面で演奏しているミュージシャンの演奏が素晴らしかったとか言う例も知りませんし。楽しいのは演奏者だけというジャズのなんと多いことか。。。

ステージマナーについても、じゃあセロニアス・モンクやソニー・ロリンズはマナーが良いのか?という話でしかありません。

こういった論評が飛び出す当たり、すでにマイルスの音楽は好きとか嫌いとかを超えて、観客を畏怖させる世界に突入していることを示します。


私的エレクトリック・マイルス最高傑作

マイルスが一番カッコよかった時期はいつか? それはもちろん、電子音を取り入れた「ビッチェズ・ブリュー」以後のマイルスだ。それ以前のマイルスが完璧なジャズ作品を作ったのはまごうことの無い事実だが、音楽に尋常ならざる熱気がこもっていたのはやはり後期のマイルスなのである。


それでは、マイルスが最も音楽的に充実していた時期の最高傑作は何なのだろうか。よくあがるところでは、かの有名な「ビッチェズ・ブリュー」、ファンク色の強い「オン・ザ・コーナー」、よりアグレッシヴな「ダーク・メイガス」、電化マイルスの全てが凝縮された「ゲット・アップ・ウィズ・イット」などがあるが、個人的には本作「アガルタ」と「パンゲア」が一番だと思う。


とにかく、このライヴアルバムは凄い。ジャンルの垣根を越えて、ありとあらゆる音が一つの空間に放り込まれているとでも言えばいいのだろうか。あの時期のマイルスにしかできなかった、空前の音楽的カオスがここに生まれている。もちろんメンバー全員が、終始異常なまでのテンションで演奏しているが、中でもピート・コージーの気がふれたかのようなギターの弾きっぷりは驚愕ものである。


電化マイルスに興味があるが本作をまだ聞いたことのない方はもちろんのこと、ペーター・ブロッツマン、渋さ知らズなど「激しい」フリー系音楽が好きな方にも推薦したい「ヤバイ」一枚。


評価/100点中90点


Miles Davis(trumpet,organ)
Sonny Fortune(alto,soprano sax,flute)
Reggie Lucas(guitar)
Pete Cosey(guitar)
Michael Henderson(bass)
Al Foster(drums)
Mtume(percussion)


火の玉のような渾沌

1967年7月17日、コレクティブ・インプロビゼーションというベクトルを指し示していたジョン・コルトレーンが死んだ。多くのジャズ・ミュージシャンの精神的支柱であった彼の死後、もう一人の精神的支柱であるマイルスがどう動くか、ジャズ全体が彼の動向に注目していた。それが60年代の終わりのジャズの渾沌とした状況だった。そしてマイルスはジャズ・ファンクに突っ走る。
なぜ、ジャズ・ファンクか?その答えは同じ1967年にデビュー作『アー・ユー・エクスペリエンスト?』を発表したジミ・ヘンドリックスの音楽である。彼の音楽がいかにマイルスのジャズ・ファンク傾倒に火をつけたかをロックを聴き続けてこの時期のマイルスの音を聴いたものは誰しも感じずにはいられないだろう。一言で言ってマイルスはジミ・ヘンドリックスの音を自分のものにしたかったのだ。
よってこの時期のライブはロックを聴き続けてきてこの作品を聴く者と、ジャズをピュアに追いかけてきてこの作品を聴く者とではまったく違って聴こえてしまう。特にギターがだ。
マイルスはジミ・ヘンとファンクしたくてたまらなったに違いない。故にロックとして聴けばここでのギターは単なるジミ・ヘンの偽物である。このパラドックスと渾沌が火の玉のように燃える。
そう、1969年8月の3日間CBSスタジオで録音された『ビッチズ・ブリュー』から、マイルスが一時沈黙するまでの間に演奏された作品群は、ジャズ・ファンクという強烈なベクトルに、才能あるミュージシャンを次々と放り込み、その渾沌から何が見えてくるかをマイルス自身も若手も同時体験した時期だったと僕には思える。
こういうことはマイルス以外誰もしなかったし成しえなかった。年齢がいったミュージシャンのほとんどは自らの年齢を鑑み、冒険を忘れ、スタイルを固定し、ひたすら枯れて行くような静的方向へと固まるばかりだ。しかしマイルスにとって年齢とは単なる数字であって、今日は昨日に1を足した前進の加算でしかなかった。真の天才は年齢がない。
このパラドックスと渾沌が火の玉の経験が後に自らの音楽とは何かを参加したミュージシャンに問うこととなる。それが、チック・コリアのスパニッシュ回帰であり、キース・ジャレットの静寂である。そしてそれらの開花がジャズを一段上の次元の音楽に押し上げたことはまちがいところだ。
本作はそういうジャズやロックの様々な変容を頭に入れた上で聴くべきギグなのだと僕には思える。
火の玉のような渾沌

1967年7月17日、コレクティブ・インプロビゼーションというベクトルを指し示していたジョン・コルトレーンが死んだ。多くのジャズ・ミュージシャンの精神的支柱であった彼の死後、もう一人の精神的支柱であるマイルスがどう動くか、ジャズ全体が彼の動向に注目していた。それが60年代の終わりのジャズの渾沌とした状況だった。そしてマイルスはジャズ・ファンクに突っ走る。
なぜ、ジャズ・ファンクか?その答えは同じ1967年にデビュー作『アー・ユー・エクスペリエンスト?』を発表したジミ・ヘンドリックスの音楽である。彼の音楽がいかにマイルスのジャズ・ファンク傾倒に火をつけたかをロックを聴き続けてこの時期のマイルスの音を聴いたものは誰しも感じずにはいられないだろう。一言で言ってマイルスはジミ・ヘンドリックスの音を自分のものにしたかったのだ。
よってこの時期のライブはロックを聴き続けてきてこの作品を聴く者と、ジャズをピュアに追いかけてきてこの作品を聴く者とではまったく違って聴こえてしまう。特にギターがだ。
マイルスはジミ・ヘンとファンクしたくてたまらなったに違いない。故にロックとして聴けばここでのギターは単なるジミ・ヘンの偽物である。このパラドックスと渾沌が火の玉のように燃える。
そう、1969年8月の3日間CBSスタジオで録音された『ビッチズ・ブリュー』から、マイルスが一時沈黙するまでの間に演奏された作品群は、ジャズ・ファンクという強烈なベクトルに、才能あるミュージシャンを次々と放り込み、その渾沌から何が見えてくるかをマイルス自身も若手も同時体験した時期だったと僕には思える。
こういうことはマイルス以外誰もしなかったし成しえなかった。年齢がいったミュージシャンのほとんどは自らの年齢を鑑み、冒険を忘れ、スタイルを固定し、ひたすら枯れて行くような静的方向へと固まるばかりだ。しかしマイルスにとって年齢とは単なる数字であって、今日は昨日に1を足した前進の加算でしかなかった。真の天才は年齢がない。
このパラドックスと渾沌が火の玉の経験が後に自らの音楽とは何かを参加したミュージシャンに問うこととなる。それが、チック・コリアのスパニッシュ回帰であり、キース・ジャレットの静寂である。そしてそれらの開花がジャズを一段上の次元の音楽に押し上げたことはまちがいところだ。
本作はそういうジャズやロックの様々な変容を頭に入れた上で聴くべきギグなのだと僕には思える。



ソニーレコード
パンゲア
Pangaea
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マイルス・デイヴィス・アット・フィルモア
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