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日本の歴史 (7) (中公文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 90577 位
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一見安定しているようで実は不安定だった鎌倉幕府前半期
平氏の滅亡から承久の乱を経て、北条時頼の得宗専制体制までの歴史を収めた第7巻、非常に有名な表紙の源頼朝の肖像画は現在では足利尊氏の弟の足利直義ではないかという説が注目を集めるようになっている(頼朝の頭が異様に大きい本書に掲載された頼朝の木像のイメージと比べるとこの絵は格好が良すぎるので怪しい)。本作を読むと一見頼朝を中心に万全なな体制でスタートしたと思われる鎌倉幕府の体制は実はかなり脆い点が多く、御家人の様々な思惑が一触即発の状態にあったことが本書で知ることができる。この時代の歴史史料である「吾妻鏡」が北条氏に都合のいいようにまとめられており、頼朝の不審な死、頼朝の子供の実朝の死についても、私たちが信じている真実とは全く異なっている可能性があることを知ることができる。千葉氏、梶原氏、和田氏、畠山氏といったライバルを巧妙に蹴落としていく北条政子(名前がはまりすぎている)と北条義時のやり方は現代の政治にも共通する世界だと思う。この時代は魅力のある登場人物が多く登場するので非常に読みやすいので、これから本シリーズを読破したいと考えている方は第1巻ではなく、本書から読み始めることをお勧めする。
味わい深い語り口
著者は、様々な角度から歴史を今一度考察しなおすということを本書の要所要所で行っている。例えば鎌倉幕府成立は一般的には1192年であるとされているが、これを読むと、この部分に関する歴史学上の見地からして最も説得力に欠ける説であると分かり、目から鱗が落ちる思いがする。 しかし、学究にありがちな難解な論議に終始せず、重要な歴史イベントのシーンでは小説風に再現してみてくれる。文章も読みやすい。 こういうことはなかなかできない。 このシリーズは一冊ごとに著者が違うのでかなりそれぞれ差異があるようだが、この巻は著者がかなり素晴らしいと思う。 ただ、一時代を語る本なのでどうしてもそれぞれの話がある程度簡潔になってしまう。義経の話など、個人的にはもうちょっと魅力的なキャラの話を長くして欲しいと感じてしまったが、これも読者の我儘だろうか……。 それと、後半の北条氏の陰謀・策略の歴史の数々は個人的にどうしても好きになれないのでいい気分がしない。 しかし前半部だけでも読む価値は大いにあると思う。
中央公論新社
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